ブランディングの5大疑問 · 04 / 053 min read

効果はある?どう測るの?

「ブランディングは効果が見えないから怖い」とよく言われます。でも、目に見えないことと、測れないことは違います。ブランドは、健康診断と同じように測れるのです。

Answer · 30秒でわかる

ブランドの効果は「見えない」だけで、ちゃんと「測れる」。指名・値引き耐性・紹介・採用など、経営の数字に必ず現れる。

  • “ふわっと”を、5つの計器に分解して測る
  • 効果は売上より先に「値引きされない/指名される」に現れる
  • 小さな会社でも、今日から測り始められる
知られているか・思い出されるか・指名されるか・値引きされないか・紹介されるかの5つの計器を並べた健康診断ダッシュボード
図1 — ブランドの健康診断。5つの計器に分ければ、“ふわっと”が数字になる。

— 01 —「見えない」だけで「測れない」わけではない

健康は目に見えませんが、血圧や体重で測れます。ブランドも同じ。直接は見えなくても、いくつかの数字で現在地が分かります。ブランド研究者のアーカーは、ブランドの力を5つの柱——認知(知られているか)/ロイヤルティ(また選ばれるか)/連想(何と結びつくか)/知覚品質(良いと感じられるか)/資産(判断の仕組みがあるか)——で捉えました。

この5つを点検すれば、「どの柱が強く、どこが弱いか」が見えてきます。たとえば「知られてはいるが、リピートされない」なら、認知は高いがロイヤルティが低い、という具合に、悩みの正体が具体的な言葉になる。もう、ふわっとした感想で語る必要はありません。

大切なのは、この5つが“バラバラの点数”だということ。総合点が高くても、一本だけ極端に低い柱があれば、そこが会社全体の足を引っ張ります。だから見るべきは平均ではなく、いちばん低い柱がどこか、なのです。

面白いのは、この5つが会社の“健康の内訳”になっていること。売上という体重だけを見ていると、なぜ増えた・減ったが分かりません。でも5つの柱で見れば、「認知は足りているのに、選ばれ続ける力が弱い」といった具合に、原因の在り処まで見えてくる。だから、結果の数字だけでなく、この5柱を見るのです。

— 02 —効果は「経営の数字」に必ず現れる

ブランドが効いてくると、経営の数字が動きます。名前での指名検索が増える(=広告費が下がる)、商談の成約率が上がる(=営業が楽になる)、解約が減る(=ファンが定着する)、紹介が増える。これらはすべて、計測できる指標です。

たとえば、これまで10件の商談で1件しか決まらなかったのが、「あの会社なら安心」という像が広まると3件決まるようになる。同じ営業努力で成果が3倍になったなら、それは立派なブランドの効果です。売上という結果の“手前”で、こうした変化が先に現れます。

「ブランディングに投資して、何が変わったのか」は、雰囲気ではなく、こうした数字の変化で追えます。効果が見えないのではなく、見る場所を知らないだけ。どの数字を見るかを決めておけば、投資はきちんと検証できるのです。

— 03 —だから「まず測る」から始める

大切なのは、いきなり作り込む前に“現在地”を測ること。5つの柱のうち一番低いところが、次に手を打つべき場所です。総合点よりも、最も弱い柱がボトルネックになる。そこを放置したまま他を磨いても、水は一番低いところから漏れ続けます。

健康診断を受けずにサプリを飲んでも意味がないのと同じで、測らずに施策を打っても空回りします。「なんとなく良さそう」で始めたロゴ刷新やSNS強化が、実は弱点と無関係だった——これはとてもよくある、もったいない失敗です。

まず測り、弱点を知り、そこから直す。この順番を踏むだけで、限られた予算を“いちばん効く一手”に集中できます。測定から始めるブランディングだけが、費用を“投資”に変えられるのです。

投資に対して効果が少し遅れて立ち上がる時間差カーブの図
図2 — 効果は少し遅れて立ち上がる。だから“結果が出る前に測る”ことが大切。

— 04 —明日から、できる一歩

まず、自社の“ブランドの通信簿”にする数字を一つか二つ決めてください。指名検索の数、商談の成約率、紹介の件数——どれでもかまいません。定点で見ると決めた瞬間から、ブランドの効果は追えるようになります。

そして、その数字が動く“手前”にある5つの柱を測るのが、ブランドチェックです。所要2分で、どの柱が弱点かが分かる。効果を測る第一歩として、まずは自社の現在地を確かめてみてください。

視点を切り替えて見る

会社の段階で、見るべき数字は変わる

「覚えてもらえたか」を見る

まだ知られていない段階では、売上より想起。会った人が後日あなたを思い出せるか、一言で説明できるか。名刺交換後の記憶に残る率が、最初の計器です。

「指名と値引き」を見る

知られ始めたら、指名で来た比率値引きを求められた比率を見ます。比較されず選ばれ、値段を叩かれない案件が増えているか。ここに像の強さが出ます。

「紹介と採用」を見る

像が育つと、紹介経由の受注指名応募が増えます。広告を止めても仕事と人が来るか。ここまで来ると、ブランドは自走する資産になっています。

Q&A

よくある誤解に、先に答えます

売上に、直結する?

直結しますが、時間差があります。先に「値引きされない」「指名される」といった質の変化が起き、遅れて売上・利益率に効いてきます。売上だけ見ると効果を見落とします。

何ヶ月で、効く?

業種によりますが、像の書き換わりは数ヶ月〜年単位。だからこそ“先に測って”変化を追うことが大事です。測っていないと、効いているのに気づかず投資を止めてしまいます。

小さい会社でも、測れる?

測れます。大がかりな調査は不要。「初回商談で指名だった件数」「値引き要求の有無」など、日々の商談メモから拾える数字で十分に現在地がわかります。

数字が悪かったら、どうする?

落ち込む必要はありません。悪い数字は“伸びしろの地図”です。5つの計器のどこが低いかで、次に手を打つ場所(想起か、指名か、紹介か)が具体的に決まります。

この疑問に関わる用語

気になることや、自社の場合はどうか——もう少し話してみたくなったら、いつでも。

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